魂(たま)合気研究会

 

六、身体の居着き

身体の動きが止まった状態を居着くといいますが、居着きと力みは隣り合わせです。
そこで気の渦を作っておき渦に乗ってフワーッと動けば居着きも力みも少なくなります。
仙骨や脊椎を小さく動かして渦を作っていると身体の真中から動けます。
真中から、肩甲骨、腕、手先へと意識していくと感覚として捉えることができます。
宮本武蔵は五輪の書に「心を真ん中に置きて、心をしずかにゆるがせて、そのゆるぎの刹那も揺るぎやまぬように吟味すべし」と著しています。
この「静かに揺るがせ」が大切な理合かと思います。
五輪の書には心という文字が多く使われていますが、そのひとつに「心の持ち様は心を水にして折りにふれ事に応ずる心なり」とあります。これもまた心を固めるな、水のように映せとの事です。
手合わせでは相手と自分の空間の気を大きく乱さないことが大切で、その為には、相手を大切に思い、静かな気持ちで、吸うでもなく吐くでもない呼吸を心がけ、遠山の目付けでどこにも焦点を合わさずにただ映す、心を静かにゆるがせて居着きをなくす、そんな状態をつくりたいのです。
はやる気持ちがあればそれだけで身体を硬くします。普段行っている動きを超スローの動きに変えてみると、ぐらついたり違和感が生じたりして、普通の速度のときには如何にごまかしているかが良く分かります。
ゆっくり動いてみることも、力みを取るひとつの過程かも知れません。
浮身という技は、定義としては確立されていませんが、私は浮身を居着いていない姿と理解しています。
上体が沈んでいく(脊椎、腰、膝と沈んで行く)というのは、視点を変えれば、浮いている状態と言い換えることもできます。この浮身(沈身)の間に動くことで技が利きます。
浮身は、居きや力みが消える一瞬です。上体
を沈める一瞬は、足とか手がフワッと上がる感覚にもなります。
息がとまる、身体が力む、気が詰まる等も居つきです。ああしてやろう、こうしてやろうという作意、迷いが生じることで気が詰まります。これも居つきです。気は腹に静めて貯めておくことで気は多く流れます。